甲子園の土を持ち帰る理由は?優勝したら土は持ち帰る?販売は?

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甲子園。

高校野球のゲームは必ず勝者と敗者を生みだす。

引き分けはなく、同点の場合は延長15回で切り上げ、翌日再試合となる。

つまり必ず決着をつけるのが高校野球だ。

ある意味残酷だ。

勝つ者、負ける者のコントラストをはっきりと表わしてしまう。

勝った選手たちは喜びを満面でホームベース付近に並び、校歌を思い切り歌い、校歌が終わるか終らないかのころ、もう身体は跳ねるように母校応援席へ向かう。

敗れたものはベンチ前、泣く選手、がっくりと肩を落とす選手、さばさばとした表情の選手様々だ。

そして相手校歌演奏が終了すると、儀式のようにベンチ前で「甲子園の土」を集める姿がテレビにも映し出され、マスコミはフラッシュをたきまくる。

なぜ「甲子園の土」を集めるのであろうか?

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沖縄首里高校の甲子園の土にまつわるあの事件

沖縄が米国から日本に返還されたのは1972年のことだ。

その10数年前、沖縄がまだアメリカ占領下、統治下であったころ、あの首里高校の事件が起こる。

1958年夏の甲子園は40回の記念大会を迎え、史上初めて47都道府県に沖縄を加えた代表校で開催された。この時沖縄代表として、甲子園出場を果たしたのが首里高校である。

今でこそ沖縄高校球界のレベルは高いが、当時は本土の学校に比し、まだまだの状態だった。

そんな状況でも首里高校は初戦福井敦賀高校に大善戦し、惜しくも1-3で敗戦するが、素晴らしい試合ぶりに観客も感動した。

既に甲子園の土を持ち帰るのが恒例となっていた当時、首里高校も選手たちは当然土を試合後に集め、母校に持ち帰ろうとした。

しかし、首里高校が沖縄に戻ると、そこはアメリカの統治下であり、「甲子園の土」は「外国」の土である、という判断を下されてしまう。

アメリカの法律では外国の土をむやみやたらに国内に持ち込むことは禁止されており、何と首里高校に土を持ち帰る許可は下りなかったのである。

せっかく持ち帰った思い出のたくさん詰まった土は、全て海に捨てられた。

これほど日本人の感情を奮い立たせる事件はないであろう。

甲子園出場という目標だけのために毎日切磋琢磨し、その出場の喜びを勝ち取り、夢にまで見た舞台で試合をし、「生涯」の思い出としてささやかな土を持ち帰ったら、冷酷非情にもそれを認めなかった当局。

この小さな事件は大きな波紋を呼び、後世まで語り継がれることになる。

それまでも土を集めるパフォーマンスにはいささかの注目があったが、これをきっかけに「甲子園の土」の価値、重み、意味が飛躍的に増していく。

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優勝校も土は持ち帰る?

敗れたチームががっくりと肩を落とし、土を集める姿が印象的なせいか、最後まで負けなかったチーム、すなわち優勝校がどうしていたのかはあまり注目されていない。

夏の甲子園大会は3年生にとっては最後の大会である。

予選、甲子園問わず、もし敗れてしまえばそこで終わり、チームは次の代に移行し、新チームが結成される。

この「最後」というのがポイントであろう。

その最後の最後についにつかんだ甲子園、それは一生の中でも、間違いなく大きなイベントの一つだ。

自分は確かにそこにいた、そしてその土を自分のスパイクで踏み、走り、投げ、打ち、守り、喜び、落胆し、仲間と同じ目標に向かい声をあげた、その集大成がこの「甲子園の土」なのである。

それはその夏最後まで負けなかった優勝チームも同じだ。

優勝チームが土を集めるシーンはあまりサマにならないので、きっと練習の時などにひそかに集めているのであろう。またテレビには映らないが、セレモニー後に優勝校も土を集める時間が設けられているという情報もある。

ところで、土を集めるシーンを見ていると、一人一人が結構な量を集めている。

「土が無くなってしまうのでは?」などと心配したりする。

春夏合わせてなんと2トン以上が持ち帰られている、相当な量だ。

もちろん土は雨で流されたり、風などで飛んで減ってしまうので、甲子園には十分な量が補充されている。

甲子園の土販売は?

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2010年8月から、甲子園の整備を担当する会社が「甲子園の土」を販売開始している。

これを買ってどうするのだろう、と思いがちだが、甲子園は「水はけのよい球場」として有名だ。土、天然芝にもかかわらず、相当な雨でもコンディションを保ち、また回復も早い。乾燥時には逆に水持ちがよい土である。

土と砂を絶妙な配分で配合し、最適な状態を作っているが、そのノウハウは企業秘密である。

雨天などの後のグランド状態を一刻も早く回復させ、選手たちが練習できるようにすることは指導者にとって大きな命題のひとつだ。甲子園のように水はけがよく、かつ乾燥時は水持ちもよいという理想的な土はぜひとも欲しいところだろう。あくまで記念用なので、大量には買えないだろうが。

甲子園の土を集めて持ち帰った球児たちは、母校のグランドに撒いたりする人もいる。少しでも甲子園に近づきたい後輩たちのために、その土は垂涎のものである。そして中々甲子園が遠い学校には、土を買ってくるという方法も出てきたのである。

何も知らない人がみれば、「土?何のためにそんなものを集めるのか?」と思うであろう。

あこがれの聖地甲子園、その甲子園に立ったあの日あの時、ほんの一握りのプレーヤーだけが得られるその感動、甲子園の土は永遠である。

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